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渚にて [本]

渚にて
古典的SFを読んでみようシリーズです。

新訳なのですが、やっぱり翻訳物はちょっと疲れます。
しかも、結構長いんですよね。
最後はみんな死んじゃう話です。
救いようがない。

ちょっと性善説によりすぎているかな。
でも、もし本当に最後が来るのならああありたい、とも思います。

古い本なので、放射能に関する知識は物足りない感じがしますが、それはあまりうれしくない事実を現代人が知っているということでもあります。
死が迫っていることを知っている人々が、どう過ごすか、という群像劇なわけですが、なんとなく、現代に通じるものを感じました。
きっと自分には悪いことが起こらない、そう思いたい人達の愚かとも思える言動。
でも、自分だったらどうするだろう。
やっぱり、そう思いたいかな。

コロナウイルスが全世界に広まって、あちらこちらでワタワタしてますが、それもこの本に書かれているのとちょっと似た感情が、防御の手を鈍らせ、拡散してしまった原因かもしれません。

本書の最後のシーンは、描いてみせることができるほど印象が残りました。
長い小説ではありましたが、読んでおいてよかったと思いました。

この本は、たぶん年齢とともに感じるものがちがってくる本だと思います。
二十歳のころだったらお寄りまで読めずに力尽きてたかも。
あと、20年くらいしたら、もう一度読んでみたい本です。
タグ:渚にて
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